人×お酒の物語

Story

春の優しい“ひかり”のような日本酒
瓶内二次発酵 自然なスパークリング 春の優しい“ひかり”のような日本酒
段々春らしい陽気になってきた。三寒四温。日も伸びてきてワクワクする季節でもある。しかし私にとって苦しい時期でもある。それは何と言っても花粉……
毎朝くしゃみと鼻水から始まる。一番辛いのは気をつけてないと、味覚が少し感じられなくなることだ。それは唎酒師にとっては致命的!! マスクとサプリとアロマで完全防備しているのだが、今年も中々手強い。そんな花粉症と共に、春の訪れを感じる日本酒につい先日出会った。

吉田酒造店

「手取川」で有名な明治3年創業で昨年150周年を迎えた石川県白山市にある酒蔵「吉田酒造店」。

手取川扇状地のほぼ中央に位置し、霊峰白山を望み、石川県の代表的穀倉地帯にある。お米を大切にし、約30軒の契約農家と連携し、田植えから収穫まで一体となり酒造りをしている。まさに「米作り」を「酒造り」まで昇華させている。

地元の繋がりを大切にし、大地を感じ、土を学び、人の想いを尊び、手と手を取り合って、日本酒が出来上がっていく。活性汚泥法と中和法を併用した排水処理施を建設したり、冷蔵庫にソーラーパネルを取り付けるなどして自然と共生することを大切にしている。

美しい空気と、純粋な伏流水に恵まれた手取川扇状地にあるからこそ、地元の酒米や酵母を扱い、昔からの造り方で原点回帰しているお酒たち。香り静かに飲みやすく、キレがよく、尚且つ米の旨さを残し、喉越しよく飲み飽きない。そんな日本酒好きのための日本酒を日々追求している。

女子会にも! 手取川sparkling dot

その「手取川」の中でもラベルがとてもポップでまさに「女子会で会話を盛り上げてくれる一本」が今回ご紹介する日本酒、手取川sparkling dotだ。

最初、手に取り見た時に、いい意味で日本酒らしくないお酒だと思った。

とてもポップなデザインで、原色に近い黄色のドットがラベルいっぱいにスタイリッシュに散りばめられていて可愛い。このデザインだとショーウインドウに陳列された数ある日本酒の中でも目立ちそうだ。

私はスイーツと日本酒の会に持っていった。早速、シャンパングラスに注いでいただく。会場から「可愛い〜」「美味しい!」と矢継ぎ早に黄色い声が飛び交った。

伝統的な山廃造りを現代風にアレンジしたモダン山廃の、お米とお水をナチュラルに感じる優しいお酒。それでいてシャンパン同様の瓶内二次発酵されたきめの細かい泡と優しい酸味スッキリの味わい。まるで青い空の下、芝生の上に寝っ転がっているみたいだ。

春の陽気な空気に、清々しさを感じる日本酒は、ホームパーティーに持参してみんなで「乾杯!!」とグラスを傾け、一杯目にいただくのにふさわしい。

どんなスイーツにも抜群に合う。甘さをよりおしゃれな甘さにしてくれるsparkling dot。生クリームのケーキやチョコレートに是非マリアージュしてみてほしい。

あまりにも美味しく、おしゃれなボトルだったので、どのように作られて、どのような想いで作られたのかどうしても気になってしまった。そして今回、吉田酒造店代表取締役吉田泰之さんにお願いして特別にお話を伺う機会を頂いた。

吉田酒造店7代目代表取締役吉田泰之さん

吉田酒造店7代目代表取締役吉田泰之さんは、昨年から代表取締役に就任され、経営と杜氏をされている。

東京農大を卒業した後、山形県の出羽桜酒造にて酒造りを経験。その後、1年イギリスで日本酒専門の輸入会社で研修。6代目の会長が経営理念として掲げている「先義後利:お客さんが喜んでくれること」「三方良し:みんなが良くなれること」、「原点回帰の思想:何を守っていくべきか」、「不易流行の思想:変わらず大切にしていること」を大切にし、『古いものを詰め込んで新しくするという新しい日本酒の形』を作っていきたいと日々お酒と向き合っているという。

また、自然との共生を目に見える形で実行しているという、なんとも珍しい酒蔵の代表である彼からお話を聞けるのは、純粋な日本酒ファンの冥利に尽きると思った。

何故今回このような商品を作ろうと思ったのですか?

地元のお米である石川門と石川の金沢酵母を使い、山廃(造り方です)で原点回帰でやって行こうということで生まれました。

コンセプトは、コロナということで耐え忍ぶ時間が続いているので、ナチュラルな発酵のエネルギーを感じるとともに、これを飲んで「元気になってほしい」という願いを込めて、妻がラベルなどを考えました。

どんな人に飲んでもらいたいですか?

女性には是非飲んで欲しいです。あと、日本酒どれ買えばいいかわからない方も多いですし、ラベルを見て面白そうと思ってもらったり、日本酒を楽しみながら美味しいと思ってもらいたいです。

古いものを詰め込んで新しく展開するという新しい日本酒の形を示していて、イメージを変え、それこそお酒初心者の方も、お酒好きの方も、老若男女全ての方に味わっていただきたいと思います。

創業150周年の今、思うことは?

感謝ですね。先代からすごくいい状態でパスしてもらえました。そして、地元が常に支えてくれました。助けていただいて県外や海外にも出せるようになりました。地元に感謝しています。自然のお陰で酒造りができていて、自然に恩を感じているのでしっかり還元していきたいですし、自然と共存していきたいです。

お酒造りで大変なことはありますか?

今までプレーヤーとしてお酒造りをメインに携わっていましたが、今はマネージャーとして、自分主体よりはいんなが動きやすい環境づくりをしなければいけないと思っています。

1年前と比較して、見るものが変わり入ってくる情報も変わりました。酒造りメンバーもだいたい週休2日。
というのもインプットが大事だと思っているので、しっかり休んで色んなことをたくさん吸収して欲ほしいなと。大変なことはというと、見えない菌を扱っているので発酵の過程はとても大切ですし、人が毎日変わってくるので、ちょっとした伝達ミスがないように微調整しなければいけないところですかね。

あなたにとって日本酒とは?

家宝ですね。先代たちの想いを受け継ぎながら大切に守っていきたい。日本酒というのは文化でもあり、地域を表現していくものと同義だと考えています。

そして酒造りを続けるためには地域や自然と共存していくがことがますます重要に。この自然環境を守り、未来へ繋いでいくために積極的にアクションを起こしていくつもりです。

読者に向けて最後に一言

是非、お手にとって飲んでいただきたいです。最近の日本酒は変わってきて自然のエネルギー感じるような優しいお酒が多くなってきています。水とお米だけで作ったナチュラルなものが多く、元気になったり、楽しい自然の発酵のお酒をぜひ、楽しんでいただけたらと思います。

 

今回の取材を通じて、自然と共存しながら地域の人たちとの共生を図る。これぞ本当のエコシステムだと思った。私も大学の専攻が環境問題に関する分野だったので、日本酒の世界でリアルに実践されているお話を伺えて本当に嬉しかったし、改めて環境に優しいライフスタイルを確立したいと感じた。

人を大切に、自然を大切にし、見えない菌たちをも大切にする。私には代表の吉田さんもそうだが、この酒蔵自体が優しいエネルギーで満たされていて、周りに優しい“ひかり”を与える存在に思えた。終始穏やかな口調の吉田さんだったが、温故知新、しっかりと先を見据えて取り組まれている姿にただ、ただ感銘を受けるのだった。

吉田酒造店:https://tedorigawa.com/

この記事の執筆及び監修

高岡 麻彩(Maaya Takaoka )

京都府出身。関西学院大学卒業。
日本酒サブスクリプションサービス「日本酒にしよう」CEO。年間50以上の酒蔵を訪問し、1,000以上の日本酒をテイスティング。燗酒コンテスト2021・ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022審査員。きき酒師資格取得。
インドで「Sake box」をプロデュースし、海外の新規市場開拓にも貢献。「日本酒を知ることは、日本を知ること」をモットーに、日本酒は大切な文化であり、守り伝えていくべく国内外に活動を広げている。

『日本酒にしよう』
について聞いてみる

日本酒にしようのサービスについて、
ご不明な点やご質問などがございましたら、
お気軽にお問い合わせください。
スタッフが親身になって
ご対応させていただきます。

  • しぼりたて日本酒を毎月お届け 1本コース

  • しぼりたて日本酒を毎月2本お届け 2本コース

  • 火入れ・なましぼりの2種類 飲み比べコース*