人×お酒の物語

Story

私を変えた熱い酒
A3用紙4枚分の想いが詰まった“四ツ星” 私を変えた熱い酒
私が日本酒に出会ったのは2年前。
当時はお付き合いしていた今の旦那さまが、無類の日本酒好きで。日本酒のお店に連れて行かれた時のこと。その時は素直に美味しいという、ただそれだけだった私。
「資格を取得したら、これからお酒全部奢ってあげるね」という旦那さまの甘い言葉に誘われ、「やったー」とまんまと騙され(笑)資格を取得することに。そんな最初、ヨコシマな気持ちで日本酒に触れていったのだが……(今だから暴露します)その後、酒蔵見学をしたり、杜氏の方から直にお話を聞けたりすることで、どんどん日本酒・日本酒業界に惹きこまれていく。
こんなにも手がかけられ、愛情を込めて作られる日本酒は大切な日本の文化。これを守り、伝えて行きたい!という想いが生まれるまでそう時間はかからなかった。
今現在その気持ちを持ち、日本酒の仕事を続けられているのは、今から語る酒蔵の社長から“四ツ星”の秘話を聞いたからだ。

舩坂酒造との出会い

私が舩坂酒造(ふなさかしゅぞう)と出会ったのは、今から2年前だ。地方創生をしている共通の知人の紹介で高山に『熱い理念を持っている酒蔵の社長さんがいるからぜひご紹介したい』といただき、ふたつ返事で車を飛ばし、東京から300km、高山の地に向かったのだった。飛騨牛や世界遺産の合掌造りで有名な高山市。東京都ほどある広大な面積を誇り、当然日本酒に不可欠なお水、お米、歴史、3点揃っている酒処だ。

舩坂酒造とは

飛騨高山・古い町並みに佇む舩坂酒造は江戸時代末期から続く酒蔵。舩坂酒造店はその前身となる「大文屋」として酒造りをスタートし、年間約500万人が訪れる観光地「飛騨高山」のメインストリート「古い町並」に母屋を構えている。

                                            代表取締役社長有巣弘城さん

一年前にも見学をさせてもらったのだが、お酒を造り卸すだけでなく、観光土産品とともに直接お客様に枡酒を楽しんでいただけるようにと直売小売店、飛騨牛等の飛騨の味覚と共に日本酒を楽しむ食事処を併設し、「造る」「味わう」「買う」の3つが揃った、他の酒蔵とは一風変わった地酒造り酒屋を営んでいる。

こんな変わった経営をしているのも、この舩坂酒造店は約10年前に地元で旅館などの観光業を行うアリスグループによって事業承継され新たな息吹を入れているからなのだ。

現在の代表取締役社長の有巣弘城さんは10年前から祖父と一緒に経営に参加。元々、日本酒に対しては良いイメージがなかったという有巣さん。というのも大学生の頃空手部で“バケツで飲まされた”経験があったからだ。

経営をスタートして初めての冬(酒造期)、まだまだ日本酒の魅力発信に悩んでいた有巣さんに杜氏ができたての日本酒を飲ませてくれたという。

飲んだ瞬間背筋に電撃が走り、こんなに美味しいのかと驚いたそうだ。「25歳の自分が飲んでこんなに美味しいのであれば、きちんとお伝えすればその美味しさは伝わる。」とその日を境に“これを人生の商売にしよう”と思ったという。

お客様、地域の皆様、そして従業員の皆、舩坂酒造店に関わった多くの方々が笑顔で幸せになれるよう笑倍絆醸(しょうばいはんじょう)の経営理念を掲げ、サブタイトルで「ありがとうをいただこう、ありがとうを伝えよう」という想いで、日々新しいお酒づくりにチャレンジされている。

四ツ星

舩坂酒造の商い紋として四つの星が繋がっている紋様が存在する。これは舩坂酒造をひらがなで書いた頭文字の「ふ」という字を模して作った紋様らしい。このマークは周りの三つの点と中心のひとつの点がつながって紋になっているという。周りの三つが酒造りに必要な「米・水・風土」。それを真ん中にある点である「我々や我々の思い」がつなげて紋となり、舩坂酒造を体現しているのだそうだ。そのため、この紋様を「四ツ星」と呼ぶようにしたとのこと。この紋様をモチーフにした四ツ星は、舩坂酒造を代表するお酒となっていく。

四ツ星が生まれた背景も面白かった。

順番に新たな価値を生み出していく中で、杜氏の平岡誠治さんからあるチャレンジしたいという言葉をもらったという。それまで、舩坂酒造は地元の方に愛される一般的なお酒作りをずっと中心としてやってきて、流行りの大吟醸などはあまり作って来なかったそうだ。

平岡さんとしても、地域の杜氏の後輩たちにアドバイスを求められ、その後輩たちは大吟醸酒で金賞を受賞していくが、自分自身は挑戦できず無冠であったということで、チャレンジしたいとのことだった。

そこで有巣さんは「想いの丈を活かしてください」と、そこからこのお酒造りが始まった。
そして、研究を重ね、舩坂酒造のフラッグシップになるような日本酒が出来上がる。
せっかくだからボトルにかけるタグに言葉を入れましょうということで、入れたい言葉をまとめてくださいと杜氏の平岡さんに依頼する。

そうしたところ、なんと、A3用紙4枚分もの文字数で提出があったそうだ。
熱い!熱すぎる!!
この話を聞いた時、私は感極まって涙が出そうになった。
思い出すだけでまた心臓がドキドキする……
そんなに想いが込められたこの四ツ星。「夢にみましたこの酒を、夢に花が咲きました」の言葉が彩られることになったこの日本酒を是非手にとってみて欲しい。

有巣さんにとっての日本酒

どの酒蔵さんにもこの質問をしている。「あなたにとっての日本酒とは?」と。これを聞くことでその人の人となりや人生観までも知ることができるからだ。

有巣さんはこう語った。「自分の人生ワクワクさせてくれるもの。飲み物としても美味しくて楽しく、食事を楽しませてくれる。私にとって、趣味として、仕事として関わっていて、皆さんに日本酒を伝えたり、商品開発したり、趣味みたいなものです。公私ともに楽しませてくれるツール」だと。

蔵をお酒造りだけではなく、お土産、レストラン、物販で日本酒のテーマパークを作り上げたり、海外10拠点へ輸出、他酒蔵とも密にコミュニケーションを取り、勢力的に高山の地を盛り上げ、日本酒業界を盛り上げようと活動しているのだ。

四ツ星とのマリアージュ

初めて四ツ星をいただいたとき、こんなに美味しい日本酒があるのか!と目から鱗だった。バランスの取れた味わいなのに、しっかりと後味も残る、サラサラとして、洗練されたテイスト。お刺身や和食はもちろん、スイーツにも合うけれど、お料理のマリアージュはアジア料理をオススメしたい。

麻婆豆腐やタイフォー麺などのアジアンフードと是非合わせてみて欲しい。

 

日本酒ひとまわしレシピ 和風麻婆茄子豆腐

<用意するもの>3-4人分
・豚ひき肉:150g
・ニラ:1房
・なす:2本
・大根(あれば):適量
・みつ葉:適量
・お豆腐:1丁
・生姜:ひとかけ
・みりん:ひとまわし
・日本酒(舩坂酒造日本酒):ひとまわし
・お醤油:ひとまわし
・鶏ガラスープの素:小さじ2
・ごま油:大さじ1
・豆板醤:小さじ1
・コチュジャン:大さじ1
・かたくり粉:大さじ1
・お水:300ml

<作り方>ニラは1センチ幅に、茄子は乱切りにしておく。
1. 熱したフライパンにごま油を入れ、中火でひき肉を炒める。
2. 1に茄子(あれば大根)を入れ、火が通るまで炒める。
3. 日本酒ひとまわしを入れ、その他調味料を全て入れて、弱火にして煮詰める。
4. 水分が飛んできたら、かたくり粉を入れてよくまぶす。
5. お水を入れ、煮立ったらお豆腐を食べやすい大きさにカットして入れ熱する。
6. とろみが出たら器に盛り付け、三つ葉を添えたら出来上がり。

日本酒とこのお料理のマリアージュは、さっぱりとしていながらお米のふくよかな味とアジアンフードのマッチが絶妙なバランスで新たな美味しさを感じることができるのでぜひ試して欲しい。

舩坂酒造オススメの今が旬なお酒たち

しぼりたて生酒 純米吟醸酒生酒 深山菊
純米吟醸深山菊の「生酒」。舩坂酒造店の代表銘柄「深山菊(ミヤマギク)」で冬限定商品。岐阜県の酒造好適米「ひだほまれ」を精米歩合60%に設定し、ひだほまれの持つ旨味を存分に引き出した、冬限定の生酒。

しぼりたて生酒 深山菊

上撰の「生酒」。舩坂酒造店の代表銘柄「深山菊(ミヤマギク)」で冬限定商品。 甘辛中庸なテイストの飛騨高山の代表銘柄「深山菊」で、平岡杜氏が冬限定で醸造する日本酒。普通酒ではあり特定名称酒ではないが、冬の醸造の一番最初に作り上げるお酒。このお酒の出来栄えが、舩坂酒造店の一年間の酒質を左右するほどの重要な日本酒。

ゆず酒 ゆず兵衛

さわやかなゆずの香りと、旨すっぱいゆずの味わいが しっかり残る美味しい一本!他のリキュール同様、日本酒が苦手な方に「これなら飲める!」と大好評!
オンザロック、サイダー割り、お湯割りなど様々な飲み方で楽しめるが、日本酒ベースだけあって直接燗をつけても非常に旨い一本。冬の「おこたミカン(※コタツでみかんを食べること)」の替わりに、「おこたゆず兵衛」で寒い冬も暖かく過ごしては?

 

舩坂酒造 https://www.funasaka-shuzo.co.jp/

この記事の執筆及び監修

高岡 麻彩(Maaya Takaoka )

京都府出身。関西学院大学卒業。
日本酒サブスクリプションサービス「日本酒にしよう」CEO。年間50以上の酒蔵を訪問し、1,000以上の日本酒をテイスティング。燗酒コンテスト2021・ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022審査員。きき酒師資格取得。
インドで「Sake box」をプロデュースし、海外の新規市場開拓にも貢献。「日本酒を知ることは、日本を知ること」をモットーに、日本酒は大切な文化であり、守り伝えていくべく国内外に活動を広げている。

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