人×お酒の物語

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ワイン酵母を使った日本酒の新しい挑戦
赤ワインのように飲める 帝松 褻と霽れ(ケトハレ) ワイン酵母を使った日本酒の新しい挑戦
年が明けましたね。
少し遅くなりましたが、皆様明けましておめでとうございます。
私は年末年始は地元京都に帰り、「田酒、鍋島、赤武、飛露喜」とおせち料理を合わせると言う日本酒三昧に(笑)過ごしましたが、皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか?
案の定、体重も年越しに合わせたかの如く、理想体重を超えてしまい、目下ダイエットに励んでおります。
今年も昨年と同様、日本酒の新しい楽しみ方や日本酒のレシピをご紹介していけたらと思っています。今年もどうぞよろしくお願いいたします!

ところで読者の皆さん。
普段からワインを飲まれる方が多いのでは?と思いますが、ワイン酵母を使った日本酒があるのをご存知でしょうか?今回は、新春を迎えるのにぴったりな、面白い新酒をご紹介できたらと思います。

新酒とは?

秋から冬にかけて「新酒」という言葉を聞く機会が多いのではないでしょうか? 新酒とは、読んで字の如く「新しくできた日本酒」のことで、1〜3月頃までに新米で作られた日本酒のことを言います。

ワイン酵母を使った日本酒

今回ご紹介するのは、日本酒業界で初となる「プリムール酵母」という本来ワイン用の酵母を使用した純米吟醸酒『帝松 褻と霽れ(ケトハレ)』。

帝松 褻と霽れ(ケトハレ)
原材料:米(国産)・米こうじ(国産米)
アルコール度数:16度
内容量:720ml

製造元:松岡醸造・埼玉県

日本酒にもワインにも通じるブドウとバナナを足したような赤ワインのような香りと、風味は甘口ながらワインのような渋みで締まりながらも、最後は日本酒のコクで大きな余韻を感じる。

夏の海辺で夜空を見上げたら、落ちてきそうなほどのたくさん星が瞬いていた。そんな壮大でうっとりするような風景を彷彿させます。

あっと息を飲むような感動するシチュエーションに相応しい日本酒。一口いただいて、また二口目をいただきたくなる。甘みと渋みが絶妙なバランスで、三口目もまたいただいてしまう。そんなクセになる香りと風味が虜になる日本酒です。

『帝松 褻と霽れ(ケトハレ)』のマリアージュ

『帝松 褻と霽れ(ケトハレ)』にマリアージュしたいお料理とスイーツをご紹介します。

ペスカトーレ&褻と霽れ(ケトハレ)

赤ワインとトマト系パスタは言わずもがな。ワイン酵母を使っている日本酒だからこそ、このお料理とのマリアージュは最高な組み合わせです。

 

ティラミス&褻と霽れ(ケトハレ)

赤ワインとチョコレートも言わずもがな。洋菓子と日本酒のマリアージュは美味しいの?合うの?とよく聞かれますが、和食や和菓子同様、マリアージュにふさわしいと思います。是非、『帝松 褻と霽れ(ケトハレ)』をいただく際には、試していただけたらと思います。

松岡醸造とは?

埼玉県小川町に嘉永4年(1851年)から続く創業180年の酒蔵。人口3万人が住む、その地域は、かつて商人が集まる宿場町のため栄えており、兼ねてからお酒を飲む習慣がある町でした。そのため、この場所に蔵ごと移築し創業したと言われています。

小川町は、お酒の仕込みに必要不可欠な「良質な水」にも恵まれています。地下130mから組み上げるお水は、カルシウムなどのミネラル豊富な硬度の高い天然水。仕込み水は鉄分が少なく、ほとんど無加工で使用することが可能だそうです。硬度の高いお酒は男酒と呼ばれる、しっかりとした味わいのお酒ができると言いますが、その中にも中性的な丸みを生み出す、特有な香りと旨味を持つお酒を作られています。

創業当時は「大坂屋」の屋号を名乗り「松盛(まつざかり)」という酒銘で販売されており、その後、現在の「帝松」を代表銘柄とされました。

「帝」は日本国の最高位を表し、「松」は変わらぬ緑から繁栄のシンボルで、「酒造りの頂点を末永く後世に維持していきたい」という想いから名付けられたそうです。

全国新酒鑑評会では平成元年から通算17度も金賞を受賞し、平成16〜23年は8年連続金賞を受賞しているほど。Sake Competitionや関信越鑑評会、雄町サミットなど、そのほかの鑑評会でも受賞している、素晴らしい酒蔵さんです。

©︎2021松岡醸造株式会社

次期7代目の松岡奨さんにインタビュー

専務取締役:松岡 奨さん(写真左) 埼玉県小川町生まれ。蔵人として、造りに3年従事され、その後3年間営業と商品開発を担当し、2015年より専務取締役に就任。伝統を守りつつもチャレンジを続け、常に新しい商品開発に取り組む松岡さんにお話を聞く機会をいただきました。 写真は以前酒蔵見学させていただいた際のものです

褻と霽れの名前の由来は?
こちらの名前の由来は「霽れと褻」という言葉から来ております。霽れは特別な日を差し、褻は日常を表す、日本人の伝統的な世界観の一つです。より日本酒を身近なものにしたいという願いを込めて、言葉を逆転させ、「褻と霽れ」にし、日常時々おめでた日に、という意味の名前に決めました。

松岡さんにとって、日本酒とはどういうものですか?
自分の子供のような存在。すごく手がかかり、なかなか思い通りにいかないけれど、すごく可愛くて愛おしいです。

松岡さんの造る日本酒をどういう風に楽しんでもらいたいですか? これからやってみたいことも含めて教えてください。
スイーツに合わせたり、炭酸で割ってみたり(1:1)、ロックで飲んでみたりと、概念にとらわれず思い思いの飲み方を見つけてみて欲しいです。日本酒離れがすすみ、特に若年層が日本酒を選択する機会が減っておりますが、今の日本酒は非常に香り高く、飲みやすいお酒です。ぜひ昔の「日本酒はこう」といった固定概念を取っ払っていただければ幸いです。それも含め、今回このような全く新しい日本酒を製造いたしました。今後新しい日本酒を飲む文化ごと私たちが提供し、日本酒をあって当たり前の存在にできれば…と考えております。

とても素晴らしいお言葉を頂戴しました。
自分の子供のように可愛くて愛おしい存在……このお話をお聞きして、うるうる来てしまいました。こんなにも愛情を持って手がかけられている日本酒を、まだ飲んだことのない人はもちろん、様々な方に触れていただきたいです。また、スイーツやお料理とのマリアージュなど、松岡さんがおっしゃるように、思い思いの飲み方・スタイルで試してみて欲しいなと思います。

松岡さん有難うございました。
歴史ある由緒正しき酒蔵の、ちょっと変わった日本酒の新しい挑戦。日本酒業界を盛り上げていきたいなと心から切に想うばかりです。

この記事の執筆及び監修

高岡 麻彩(Maaya Takaoka )

京都府出身。関西学院大学卒業。
日本酒サブスクリプションサービス「日本酒にしよう」CEO。年間50以上の酒蔵を訪問し、1,000以上の日本酒をテイスティング。燗酒コンテスト2021・ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022審査員。きき酒師資格取得。
インドで「Sake box」をプロデュースし、海外の新規市場開拓にも貢献。「日本酒を知ることは、日本を知ること」をモットーに、日本酒は大切な文化であり、守り伝えていくべく国内外に活動を広げている。

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